旧大阪バス(大阪乗合自動車)沿革
旧大阪バスは大阪市内初の路線バス事業者として1924年に開業。戦時統合により1940年に大阪市営バスに吸収合併されるまでの16年間、青バス(東京乗合自動車)と並ぶ日本有数の民営バス事業者として大阪の街を走りました。
大阪シティバスの源流に当たる事業者でありながら、歴史的な経緯でこれまで振り返られることが無かった同社の沿革を簡単にまとめました。
1924年〜1925年(前史・初期)
- 周辺事項 大阪政財界の有力者11名が自動車運輸営業願を大阪府に申請
- 周辺事項 大阪府から株式会社化を条件に自動車運輸営業許可指令を得る(総代 中村房太郎氏)
- 旧大阪バス 旧大阪バス(大阪乗合自動車)設立、資本金500万円・酒井猪太郎氏が初代社長に就任
- 旧大阪バス 中村房太郎氏ほかから自動車運輸免許を継承
- 旧大阪バス 初の市内バス路線として開業、車庫は天満営業所(仮設)を使用
- 周辺事項 大阪市が周辺44町村を編入合併、布施村・小阪村が町制施行
- 旧大阪バス 境川工場(車両修理工場)開設
- 旧大阪バス 酒井猪太郎氏、横領事件の責任を取り社長を辞任
1926年〜1929年(中期前半)
- 旧大阪バス 新本社・小橋営業所竣工
- 旧大阪バス 資本金を125万円に減資、阪神電鉄(阪神電気鉄道)系取締役を受け入れ
- 周辺事項 大正天皇崩御、昭和改元
- 旧大阪バス 市岡営業所開設、修理工場移転(境川工場閉鎖)
- 周辺事項 大阪市営バス、阿倍野橋〜平野間で路線バスの営業運転開始
- 旧大阪バス 資本金を750万円に増資、阪神電鉄が筆頭株主に就き旧大阪バスを関連会社化
- 周辺事項 東大阪バス(東大阪乗合自動車)、路線バス免許交付
- 旧大阪バス 市岡工場竣工、修理工場増設
- 周辺事項 東大阪バス、大今里〜大軌八尾間(三ノ瀬・衣摺経由)で営業運転開始
- 旧大阪バス 遊覧バス(定期観光バス)の営業開始
- 旧大阪バス 貨物自動車事業開始
- 旧大阪バス 阿倍野営業所開設
- 旧大阪バス 阪南バス(阪南乗合自動車)からバス路線を譲受、阿倍野斎場前〜田辺山坂神社間の営業開始
1929年〜1933年(中期後半)
- 周辺事項 大阪市営バス、堺筋で路線バスの営業運転開始(以後、大阪市営バスとの競合が激化)
- 旧大阪バス 福島営業所開設
- 旧大阪バス 「大阪バス行進曲」発表(永井幸次氏作曲)
- 旧大阪バス 全線1区の早朝割引を開始
- 旧大阪バス 1区料金を5銭に値下げ
- 周辺事項 大阪城復興天守が竣工
- 旧大阪バス 東大阪バスからバス路線を譲受(布施・八尾地区に営業範囲を拡大)、八尾営業所開設
- 旧大阪バス 布施営業所開設
- 旧大阪バス 阪神系取締役が一斉辞任、阪神電鉄保有分の株式も同年11月までにほぼ売却
1934年〜1938年(後期)
- 旧大阪バス 貨物自動車事業休止
- 周辺事項 室戸台風上陸、関西風水害
- 旧大阪バス 坂本行輔氏が社長に就任、9年ぶりに社長職が復活
- 周辺事項 大阪市営バス、阪和国道(現・国道26号線)で路線バスの営業運転開始
- 旧大阪バス 布施営業所移転、同年八尾営業所閉鎖
- 旧大阪バス 遊覧バスの日曜祭日割引を開始
- 周辺事項 布施町など6町村が合併、布施市発足
- 旧大阪バス 御堂筋への乗入申請が却下される(大阪市営バス単独認可)
- 周辺事項 盧溝橋事件発生、日中事変勃発
- 旧大阪バス ガソリン配給制による路線休止実施
- 旧大阪バス 大阪市との買収交渉が成立、同月市会承認
- 旧大阪バス 坂本行輔氏が社長を辞任、取締役を大阪市関係者に統一
1938年〜1940年(末期)
- 旧大阪バス 木津谷栄三郎氏が社長に就任、大阪市営バスを所管する電気局長と兼務
- 旧大阪バス 大阪市が筆頭株主に(事実上の市営化)、市電・市営地下鉄との連絡運輸を開始
- 旧大阪バス 大阪市営バスとの乗車券共通利用を開始
- 旧大阪バス 大阪市営バスと共同で両社局の重複路線整理を実施
- 周辺事項 ドイツがポーランドに侵攻、第二次世界大戦勃発
- 旧大阪バス 大阪市営バスへの事業譲渡が正式決定
- 旧大阪バス 大阪市営バスへ全事業を譲渡、旧大阪バス解散